インターネット検索や宿泊予約サイト(OTA)によって、多くの旅館ホテルから選ぶことができるようになりました。その反面、ユーザーが一つの施設をチェックする時間は限られています。
宿泊予約サイト(例:じゃらん、楽天トラベル)において、その宿泊施設がどれだけ閲覧されたかを見る指標
読み方はPV(ピーブイまたはページビュー):
ユーザーが施設ページ(ホテル・旅館の紹介ページ)を1回表示するごとに1PVとしてカウント。
例:
• あるユーザーが「●●旅館」の詳細ページを1回見た → 1PV
• 同じユーザーが翌日にもう一度訪問 → さらに1PV
• 複数施設を閲覧 → それぞれにPVが加算される
「自分たちのホテルの商品構成や内容を見てくれるはず」と思い込みがちです。短い時間でユーザーに最適なプランが見つかるように工夫する必要があります。
つまり宿泊予約の販売においては商品構成はシンプルなほうが有利ということです。(しかもプランの内容がわかりやすい状態であること)
行動経済学では「選択肢が多すぎると人間は決断が難しくなる」とされています。まさに、宿泊施設を選ぶ際にも、この理論が参考になります。商品構成が多すぎることは、判断が難しくなり「離脱」する人が増えて、機会損失となってしまいます。
プラン作成は、旅館/ホテルの販促(マーケティング)において、もっとも基本かつ重要な業務の一つです。OTAに並ぶプランのリスト構成は宿泊施設にとって「品揃え」といえばよいでしょうか。ここではOTAのマーケティングの基本「プランを作る」際の考え方を紹介します。
プランは宿泊における様々な要素(客室利用/宿泊等)がパッケージ化されたものです。さらに宿泊予約サイトに並ぶ複数のプランの構成は「商品のディスプレイ」「商品棚」といえます。なので、プランタイトルはユーザーに刺さる内容にするだけでなく、シンプルに伝わるものがベストです。
ホテルや旅館は、複数のターゲット(ゲスト)に合わせてプランを構成させます。ユーザーごとに分かりやすい入口を用意して誘導して、「販売」につなげます。つまり商品棚の前に来てもらうユーザーを増やすことが重要。
ターゲットに合わせた適切なプランを並べることで、売れやすくなります。その宿のターゲットユーザーが非常に絞り込まれている場合などはプラン一つでも充分ですが、ほとんどの場合、複数のターゲットにアピールするために厳選した複数のプランを並べることになります。
「ファミリープラン」としておけば、ファミリーのゲストが「なるほど、これが私たちにとって一番オトクなのか」と判断が早くなります。(たとえば似たような特典のプランが複数あったとしても、迷わなくなります。)
このような判断を早くすることで、予約が確実に増加します。しかし、プランが増え過ぎれば属性ごとにプランをたくさん作れば、広いターゲット層を集客できるかといえば、そうではありません。
なので、プラン構成を考えるのは、販売担当者やコンサルの腕の見せどころであり、宿の売上を大きく左右する要因なのです。
さまざまな「離脱」する理由がを説明してきました。「離脱」するポイントに気づき、消していくことが必要です。
商品の内容やサービスの内容が不明ならば、自分の目的にふさわしいのか判断できません。さらにユーザーが一つの宿を見る時間が限られています。(一つのエリアで選んだとしても数軒は候補があるでしょう)。不明なことが多ければ多いほど、ユーザーの選択から外れやすくなります。これが「離脱がしやすい」ということです。
あなたが、ショッピングモールで良さそうなお店に入ったとします。店で商品を手にとってみたけど、商品の内容が分かりにくい場合(たとえば規格とか性能とか保証内容が書いてない。もしくは分かりにくい)は、その店を何も買わずに立ち去るはずです。
実は、じゃらんや楽天トラベルなどの宿泊予約サイトでも同じことが毎日起きていて、多くの宿泊施設は客様を逃しています。専門用語では「離脱」と言います。「離脱率が上がる」というような表現をよく使います。
離脱を避けることがまず重要であり、ポイントがいくつかあることが理解いただけたでしょうか。MTXがまず考えることは「機会損失を減らすこと」。この離脱する人をどれだけ減らすかが勝負です。
客室や料理、その他付加価値を組み合わせ、多種多様なプランを作り出せますが、それは施設のコンセプトや戦略にあったものであることが重要です。
ユーザーが写真を見て気に入ったのに、販売しているプラン(価格や内容)にガッカリして離脱する(逃げていく)こともありますが
ただの安売りや、コンセプトとかけ離れたものは宿のブランドの毀損をまねきますし、何がしたいのか分からないので、ユーザーからの信頼を得られません。(なので離脱します) まとめると、宿のコンセプトや戦略とプランが整合性があって、迷わず「予約できる」状態になっていることが重要です。
ユーザーが宿やプランを選ぶとき、価格だけでなく、その旅の目的やコンセプト合っているかを考えます。
逆に言えば、宿のマーケティング担当者の視点で考えると、その宿泊施設に最適なターゲット(属性)を選び、そのターゲットに、最適な商品(プラン)を用意します。 そのターゲットに選ばれる商品(プラン&価格帯)を用意することが「ターゲット戦略」です。 コンセプトや戦略を反映させてターゲットを見定めて、プラン構成が決まります。プランそれぞれのコンセプトがわかりやすく、どんなユーザーをターゲットにしているのか明確に。
スーパーの陳列方法にスタンダードがあるように、宿泊プランも基本型に。さらに口コミや、現場での反応、売上構成などを参考にして、日々更新してベストの形に持っていきます。シーズンや状況に合わせてアップデートも忘れずに。